フライトシミュレータ用エアバス機チェックリスト

 エアバスA320 エンジン・スタート後のチェックリスト


KUSUMOTO旅客機版に戻る

KUSUMOTO旅客機版 エアバス編

KUSUMOTO旅客機版 大手エアライン・パイロット制服編

KUSUMOTOエンタメ版

---------------------------------------------------


目次----------------------------------

1.MCDUの設定から、離陸、巡行、着陸まで

2.Cold and Dark状態からの設定

---------------------------------------

1.MCDUの設定から、離陸、巡行、着陸まで

 「FENIX機の機内ipad画面」で空港を指定すると自動でネットからMETERを受信可能。離陸重量(TOW,テイクオフ・ウエイト)は178.9LB(17.89万ポンド)でセットすると無風でV1=157,Vr=157,V2=160ノットぐらいになる。

1万ポンド=4.5トン。 4.5x17.89=80.50トン(離陸重量)

まずMATERの情報によってQNH(気圧高度計規正値、平均海面から3m上の気圧)を入力して高度をセット。機長側と副操縦士側の気圧が同じ事をチェック。


例:METAR RJTT 030000Z 08003KT 9999 FEW025 22/16 Q1014 RMK 1CU025 A2997 P/RR=

 赤は QNH。「Q1014」は 1014hPa、「A2997」は 29.97inHg を示す。

< MCDUの設定 >

1 INITボタン押す>DEP/DESTを入力>

例 福岡空港(RJFF)から山口宇部空港(RJDC)ならば、「RJFF/RJDC」と入力する

1.1 ALIGN IRS押す> 慣性航法ユニットのアライメント(ジャイロが安定するのに5分ぐらいはかかる)

1.2 FLT NBR> 与えられたフライト・ナンバーを入力

1.3 COST INDEX> コスト・インデックスを入力

1.4 CRZ FL> 飛行高度をフライト・レベルで入力 例FL140 (高度14000フィート)

2 Flight PLANボタン押す> 飛行計画を入力、ND(ナビゲーション・ディスプレー)上の緑色の線が途切れていないように調整。

〇Departure(主発地)はRJFF(福岡空港)と表示されるので、出発経路ルート(SID)&トランジション経路をMCDUの表示候補から指定。

とりあえず指定すると、ND画面上に「緑の破線」で表示されるので、MCDUの画面上のINSERTボタンを押すと確定し、「緑の破線」が「緑の実線」に表示が変わってオートパイロット航路が確定する。

〇Destination(目的地)はRJDC(山口宇部空港)

トランジションルート&到着経路ルート(STAR)を選択し、INSERTボタンで確定すると、ND上に「緑の実線」が表示されオートパイロット航路が確定する。

出発経路と到着経路の途中ルートが確定していないと、MCDU上に、disconection routeと表示され、ND上の「緑の実線」が途切れて空白地帯が出来るので、ゲームということで、適当な途中ルートでよいのならば、MCDUで「CLS」と入力して、MCDU上のdisconectionの所のボタンを押して「CLS」を入力すると、出発経路と到着経路が直線的につながれて、出発から到着経路まで「緑の実線」となってオートパイロット経路の入力が完了する。

3 SEC F-PLNボタン押す> 代替飛行計画(セカンド・フライトプラン)を入力する。

4 RADNAVボタン押す> 目的空港の滑走路(Rwy18なら180°方向に離着陸する滑走路の意味)のILS周波数を入力。Radio Navigation

5 INITBボタン押す>

6 PERFボタン押す> perfomanceボタン。V1,Vr,V2速度を入力>V1:離陸決断速度、Vr:引き起こし速度、V2:片方エンジンがトラブルでも離陸継続する速度。


< 離陸フェーズ >


タキシー中に、離陸準備が完了するとポンポンと電子音で合図して客室乗務員に離陸準備が完了したことを連絡する。すると「当機はまもなく離陸いたします。~」とアナウンスされる。

ストロボ・ライト オン> 滑走路に入ったタイミングで点灯させて到着地の滑走路を出るまで点灯。

ナビライト オン

無線機器 「Departure」にセット

天候レーダー    セット

F/D  オン

オートブレーキ max

エレベータトリム テイク・オフ・ポジション

タキシーライト テイク・オフ・ポジション

タキシーライト オン

ランウェイ・ターンオフ・ライト オン> 左右前方を照らすライト。

フラップ Flaps1 (Flaps1の場合)

グランドスポイラー  作動

テイク・オフ コンフィグ(TO conボタン)  チェック

テイク・オフ メモ             オール・グリーン

パーキングブレーキ オン

タキシーライト テイクオフ・ポジション

ランディング・ライト オン> 着陸灯という名前だが、離陸時にも使用し、高度1万フィート以下では点灯させるルール。

TCAS    TA/RA

ATC/Transponder Auto

テイクオフ許可   取得  

パーキングブレーキ リリース 

Set N1 for 50% check stabilize

 各TESTボタンを長押ししてECAM画面の様子を見る。ECAMの青文字が出ていないことを確認。青文字の機能が出ていたら、その機能スイッチを押して青文字が消えるようにする。

エンジン推力を50%程度まで上げてN1回転数の変化を数秒様子をみて、推力上昇に異常がないようなら、スロットルをTOGA又はFLEXまで増加させる。

100ノットでスピードをクロスチェック

V1速度(~130ノット)までスロットルに手をかけておき、トラブルに備える。

Vr速度(~140ノット)になれば、スロットルから手を放し、サイドスティックにて毎秒5度の割合で、合計3秒かけて+15度まで機首を引き起こす。

コーパイロットが「ポジティブ」と宣言したら、ギヤを上げる。

まずは400フィートに上昇を目指す。1000フィートは東京タワーぐらい、スカイツリーは2000フィート程度。

1500フィート以上で離陸完了となり、オートパイロットをオンに出来る。

FD上にCLと表示されたらスラストレバーをCLにセット

 実際には、当日の他の飛行機の状態によって管制から別のSIDルートを指定されたり、ショートカットが指示されるので、この場合は、パイロットの指示によってコーパイロットがMCDUに新しいルートを入力して自動飛行させる。旅客機の場合、安全のためにパイロット二人以上で運行するのが基本であり、パイロット二人が同時に計器を見つめて操作すると外部監視がおろそかになるので、パイロットで役割分担している。

3000フィート以上でフラップアップ。低高度でフラップ上げると飛行高度が下がって危険。

テイクオフ・ライト オン> エアバス機独自のテイクオフ時に強力に照らすライト。タキシー・ライトと兼ねている。

スポイラー 不作動

ランウエイ・ターンオフライト オフ

タキシーライト オフ

< 上昇フェーズ >

オートパイロット ON

スピード 最大250ノット、低空では200ノットがルール

1万フィート以上で ランディングライト オフ

シートベルトサイン オフ


< 巡行フェーズ >

日本では高度1万4000フィート以上で、高度表示をSTD(QNE)に変更。

飛行担当パイロットは、レーダーで進行方向の雲の存在を確認。

飛行不担当パイロットはレーダーで地形(Terrain)を表示。

日本の速度制限>空港周辺の管制圏内では200ノット。上空1万フィート以下では250ノット以下。

FL240 では、速度はマッハ0.76(高高度ではマッハ表示に切り替える)


 速度、方位を変更するノブ(つまみ)は、希望する速度、方位に回して引っ張るとSelected(セレクテッド・モード=任意に選択されたモード)となって、すぐに機体が反応する。ノブを押し込むとManaged(マネージド・モード=フライトプランに設定された値、マネージドは管理されたという意味)となってフライトプランに設定された値になるように機体が反応する。マネージド・モードの場合は「- - - ●」と表示され●がマネージド・モードであることの表示。高度関係では希望の高度を設定し、右側の上昇率、降下率の数字を希望する値に設定してからノブを引っ張ると機体が反応を始める。設定時の高度になると表示が「- - - - -」となって、「- - - - -」は水平飛行状態であることを表している。


< 降下フェーズ >

FL180では速度はマッハ0.67

FL120では速度は280ノット

高度1万4000フィート以下では実際の気圧を測定したQNH値(気圧高度計規正値、平均海面3m上の気圧、QNH)に変更。

< アプローチ・フェーズ >

スピード約210ノットでFlaps1


< 着陸フェーズ >

事前にオートブレーキをLoでセット

ー3°で降下。空港10マイル前で高度3000フィート、180ノットでFlaps2

1000フィートでギヤダウン>160ノット程度Flaps3

150ノットでFlaps full

400フィートでオートパイロット・オフ>よっぽどの悪天候でない限り、パイロットの着陸技量維持、トラブルに備えて最終局面はマニュアル操作で着陸。

50フィートでフレア、20フィートでエンジンをアイドルに戻す。>

「リタード」と鳴ったら、スラストトレバーを引き戻すとオートスラスト設定が解除される。確実に接地した後に、レバー前側の動作ロックを引き起こし、スラストレバーをさらに引いてリバース(逆噴射)をかける。>接地していないとリバースは作動しない。

80ノット以下になればブレーキをかける。

60ノットでスラストレバー アイドル

フラップ  収納

着陸ライト  オフ

APU マスター  オン

APU スタート オン(APUは小型ジェットエンジンなので、起動するのに2分ぐらいはかかる)

ATC/トランスポンダー オフ

TCAS  オフ

天候レーダー オフ

ILS オフ

FD オフ

タキシーライト オフ

ランウエイ ターンオフ ライト オフ

パーキングブレーキ セット

スロットル アイドル

エンジンマスター1&2 オフ

アンチマスター オフ

ストロボ オフ

ビーコンライト オフ

翼ライト オフ

ナビライト オフ

燃料ポンプ オールオフ

シートベルトサイン オフ

非常時外部ライト オフ

APUマスター オフ

クルーサプライ オフ

ドア オープン

ADIRS     オフ

アビオニクス&ライト オフ

バッテリー オフ

----------------------------------------------


2. コールド&ダーク状態からのセットアップ

<フライト前チェック>

データベース・アップデート&NOTAMSのチェック

天候とForecasts(予測)

搭載PAX, CARGO, 燃料重量

<スタート前>

パーキングブレーキ セット

スロットル アイドル

エンジンマスターズ オフ

フラップス アップ

スポイラー retracted(収納)

着陸ギヤ 「ダウン」をチェック

ワイパー 両方ともオフ

バッテリー オン

パネルライト  必要に応じて

外部パワー  オン

発電機 オン

ADIRS  「NAV」にセット

パネルディスプレー 「明るい」にセット

燃料量  チェック

ANNライト  テスト

火災テスト  APU&エンジン1&2

カーゴ煙   テスト

アンチアイス テスト

シートベルトサイン オン

禁煙サイン オン

MCDU セットアップ

天候チェック

高度計 セット

スタンバイ計器 セット

許可を要求

トランスポンダ 「スタンバイ」にセット

MCDU チェック

FCU  セット

出発ブリーフィング 完了

ドア クローズ

非常時外部ライト   動作

クルー酸素供給   オン

<APU スタート>

APUマスター オン

APUスタート オン

APUブリード オン

APU発電機 オン

翼ライト  オン

<エンジンスタート>

ビーコンライト オン

スロットル アイドル

エンジンエリア クリヤ

燃料ポンプ オン

エンジンモードセレクタ 点火/スタート位置

右/左エンジン エンジン1&2

エンジンマスター スタート

クロノメータ オン

エンジン回転数N1とN2の増加   チェック

オイル圧力   チェック

クロノメータ ストップ

燃料流れ チェック

油圧ポンプ オン

モードセレクター ノーマル

APUブリード オフ

APUマスター オフ

<タキシー前>

ストロボライト オン

ナビゲーションライト オン

プローブ・窓ヒート  状況に応じて

無線・アビオニクス  「Departue」に向けてセット

天候レーダー 「PWSオート」にセット

F/D オン

オートブレーキ max

エレベータトリム 「テイクオフ」にセット

フライトコントロール フリー&コレクト

<タキシー>

タキシーライト オン

ランウエイ・ターンオフライト オン

パーキングブレーキ リリース

タキシー 最大20ノット

ブレーキ チェック

フラップ   フラップ1

地上スポイラー   作動

キャビンコール   テイクオフ準備

テイクオフ・コンフィグ    解放・チェック

テイクオフ・メモ       すべて緑色

<離陸前>

パーキングブレーキ オン

計器類 チェック

テイクオフ・データ チェック

タキシーライト テイクオフ・モード

着陸灯 オン

アンチアイス   必要に応じて

TCAS                 TA/RA

ATC/トランスポンダ  オート

テイクオフ要求

パーキングブレーキ  リリース

--------------------------------------------------------


FAF:最終進入開始点>滑走路に進入開始するためのポイント

MAPt:進入復興点>ミストアプローチ(進入やり直し)開始ポイント

RVR:滑走路視程距離(m)>滑走路上の視程(=滑走路上で何m先まで見えるか)

ILSカテゴリー>空港の設備、旅客機の機器によって決まる。例えばカテゴリIII C(cat IIIc)ならばRVRが0でも自動操縦によって安全に着陸可能だが、滑走路上に障害物が何もないという保障がないので、日本では運用されていない。

DH(Decision Height)、又はDA(Decision Altitude):決心高度>パイロットが着陸するかどうか最終決断する高度。この高度までに滑走路が見えなければ着陸できない。

計器進入方式の種類>

〇グライドパス(グライドスロープ,GS)とローカライザー(LOC)を使用した方法が「精密進入

(Precision Approach)」、精密進入にはILSアプローチ、PARアプローチがある。

PARアプローチ方法は元々軍事用として発展し、管制官がレーダーをみながら着陸させる機体の方向を逐一指示してILS方式と同等の精度で着陸させる仕組み。民間旅客機ではほとんど実施されない。

〇ローカライザーのみで進入する方式が「非精密進入(Non-Precision Approach)」。非精密アプローチとしては、VORアプローチ、VOR/DMEアプローチ、TACANアプローチ(軍用機のみ)、ADFアプローチ、ASRアプローチなどがあり、最近では主要空港ではRNAV(GNSS)アプローチが多い。

RNAV(GNSS)アプローチ>GNSSはGlobal Navigation Satellite Systemの略で、GPS衛星からの位置情報を用いて、最大9か所のRNAV用ウェイポイント(十字の星マーク)を設定し、そのルートをたどることで滑走路直前まで到達するシステム。航空路として、VORルートやRNAVルートがあるが、RNAVウェイポイントを細かく設定して、アプローチ(着陸のための進入)を行う方式。ILSアプローチでは、遠くからの直線進入が必要だが、本アプローチは地上の騒音を避けるルート設定なども可能。ただし、GPS衛星からの情報が届かない場合は、使用できないという欠点もある。一部の空港では「ILS」が設置されておらず、ILSアプローチが利用できない場合もある。このような場合でも「RNAVアプローチ」が設定されている場合がある。RNAVアプローチはILSなどの空港に設置された設備に頼らず、GPS情報を参考にしながらアプローチしていく方法。ILSアプローチでは電波を捉えながら飛行するという性質上、滑走路に着陸するまでに長い直線を飛行する必要があるが、RNAVアプローチではGPS情報をもとに飛行するため、直線的に飛行しなければならない理由がない。このため、曲線的に滑走路まで飛行できるメリットがあり、山間部の空港など山を避けながら飛行する必要がある空港などでも安全にアプローチできる。また、ILS装置を設置できない小規模な空港でもRNAVアプローチを設定すれば安全にアプローチ可能。このようにILSアプローチと同等かそれ以上に便利そうなRNAVアプローチですが、デメリットもある。それはGPS情報をもとにしているため、飛行機に搭載されたGPS受信機の性能や気象状態などによって「精度」がぶれたり悪かったりすること。RNAVアプローチはILSアプローチに比べて精度が悪いため、ILSアプローチのように滑走路ギリギリまでオートパイロットで飛ぶことはできない。空港によるが、滑走路高度まであと500ftぐらいの状態でほぼ真正面に滑走路を捉えることが可能で、ここでオートパイロットを切れば少しの操作で滑走路に着陸可能。RNAVウェイポイントの他に、特定の位置を示すための「ただのウェイポイント」も存在するので注意。

滑走路表示の意味>例>羽田 34R=羽田空港にある2本の34滑走路のうちの右側(Right)の滑走路。「34というのは、おおまかに340°方向(北方向)に離着陸するための滑走路」で、着陸は南側から進入、離陸も南側へ離陸。セントレアのRunway18は、180°方向に離着陸するための滑走路。

SID(標準計器出発方式)ルート>IFR(計器飛行方式)で出発する航空機が航法無線施設(VOR, NDB)もしくは航空路へ接続するために設定された方法。各空港のチャートにはSIDがほとんど記載されている。また、さらに「トランジション(転移)」と呼ばれるルートが設定されている場合がある。離陸の方向は当日の風向きなどで変化するので、離陸方向は、出発時に管制によって指示されSIDコースもその場で指示される。

レーダーによる出発>チャートが見つからないなどの理由で、SIDが分からない場合はレーダーによる出発が可能。これは管制官に当該無線施設や航空路またはレーダーによるベクター(誘導)をしてもらう方法。この時は管制官からベクターの指示があるので、それに従う。フライトプランのルート欄に「R/V」と書いて、さらに続けて無線施設名等を記述して知らせる。

例>福岡→羽田  R/V TAE Y23 BATIS Y21 ADDUM


STAR(標準到着方式)ルート> IFRで到着する 航空機が航空路から目的空港の計器進入方式の進入フィックスまで向かうために設定された経路。当日の風の方向、旅客機の込み具合によって、管制から指示されるので、この場合は飛行中にCDUにSTARをセットしなおす。また、「〇〇に直接向かえ」とDirect指示が出たり、レーダー管制によって、特定ポイントに誘導される場合もあるので、どのSTARを使用するかは目安、予定であるらしい。

航空路>航法無線施設(VOR)航空路の識別はアルファベット1文字と数字を進めている。国内航空路には"V"や"W"に番号をつけもの、国際航空路は「A」、「B」、「G」、「R」に番号をつけたもの。

RNAVルート(eRea NAVigation ルート、エリア・ナビゲーション・ルート)航空路とは別にRNAVルートがある。これはRNAVで飛行可能な航空機が使用するルートで 「Y」、「Z」に番号が付く。巡行高度がFL290以上の場合は、規定によってRNAVルートしか選べない。

洋上トランジション・ルート>洋上管制区と陸上にある無線施設をつなぐルートで、「OTR」と番号がついた名称。

高度の選定>巡航高度は飛行する磁方位で決定される。

フライトレベル290未満(FL290=29000フィート)の磁方位と高度

磁方位0~179度:奇数×1000フィート(東方向)

磁方位180度~360度:偶数×1000フィート(西方向)

 ※VFR機(目視飛行)(は上記高度+500フィート


フライト レベル290~410(RVSM空域)

磁方位0~179度:奇数×1000フィート

180度~360度:偶数×1000フィート 

※VFR機、RVSM非対応機は飛行不可


ライトレベル 410(FL410=41000フィート)を超える場合

磁方位と高度

0~179度:FL450、FL490あとは4000フィート ごと

180度~360度:FL430、FL470あとは4000フィートごと


  航空路やRNAVルートには最低経路高度(MEA)と呼ばれる高さが設定してあり、これは障害物に衝突しないように設定された高度。MEAはエンルートチャートに記載されているので、航空路を使う場合は必ずMEAより高い高度を使う。

 高度の数字の下に線が引かれている場合は、「その数字以上」を表す。そのため、4000と書かれていたら「4000以上」という意味です。数字の上下に線が描かれている場合は「ピッタリ」という意味。また、数字の上に線が引かれている場合は「その数字以下」という意味。


ルートの書き方>

まず、航法無線施設(VOR)を結んだルートを書いてみる。例えば福岡空港から羽田空港までの場合はこのようなルートが考えられる。 そしてルートは基本的に「SID(またはTransition)の終点FIX」から「STAR(またはIAP)の入り口」まで書くのが基本なので以下のようになる。

TAE Y23 BATIS Y21 ADDUM

これは…

1. TAE(大分VOR/DME)へ向かう。

2. TAEからY23というRNAVルートに乗り、BATISまで向かう

という意味。ADDUMが羽田空港のSTARの入り口となる。

STARが設定されてない時は、使用を想定しているアプローチ方法のVORやFIXになる。

 Y23ルートには、多くのフィックスが書いてあるが、そのルートの始点と終点を書くことで省略可能。

 ここにSIDルート(出発)が掲載されていませんが、福岡空港離陸後は、TAEにつながるSIDを見つけ、(この場合はOGUNI FOUR DEPARTURE, OITA Transitionが適切)、飛行する。

 また、RNAV1で運行可能な場合は、YOKAT THREE RNAV DEPARTURE, YANKS Transitionを使用して羽田空港へ向かう事も可能なので、ルートは、

YOKAT YANKS Y23 BATIS Y21 ADDUMでもよい。

SIDを記入しておくと分かりやすい。

例) OGUNI4.TAE Y23 BATIS Y21 ADDUM

例) YOKAT3.YANKS Y23 BATIS Y21 ADDUM



------------------------------------------------

MSFS2020の話>

FenixA320で、スラストマスターのエアバス用スロットルを使用する時は、標準の推力0-100ではなく、「0-100」表示がつかないスロットルモードにして、FenixA320のMCDUからConfig>Calibrationで推力を設定すること。


KUSUMOTO旅客機版ホーム 貴重情報メモ編(linkhouseki4) 

KUSUMOTO旅客機版 エアバス編

KUSUMOTOエンタメ版



大手エアライン・パイロットの制服の変遷

大手エアライン・パイロットの制服の変遷


KUSUMOTO旅客機版ホーム 貴重情報メモ編に戻る 

KUSUMOTO旅客機版 エアバス編

KUSUMOTOエンタメ版に戻る

 趣味で大手エアライン・パイロットの制服の変遷を調べています。

<目次>----------------------------------------

1. 日本航空パイロット

2. 全日空パイロット

3. 日本エアシステム・パイロット

4. パーサー・スチュワード

5. フライトエンジニア

6. 教官、その他

--------------------------------------------------


1. 日本航空、JALパイロット>

初代>

図> 初代のロゴマーク

制帽(初代JALマークが特徴) 現在の日本航空の設立は昭和28年10月(1951年)。鶴丸マークが登場し、社章として正式採用されるのが1965年なので、この帽子のデザインは14年間あったことになり、少なくとも57年以上前のもの。この時代は、帽章下部がわざと黒リボンの下に埋め込んであるのが特徴。つば部分のデザインが、自衛隊風の派手なデザインになっているのも特徴。当時30才の機長ならば、現在は87才以上になっているハズ。JALにおいては1953年頃から、鶴の絵(画家の永井郁氏がJALの広告向けに鶴を描いたのが始まり。もともとは千羽鶴が起源。)を、広告で用いていたのでJAL=鶴のイメージが出来た。

制服(紺色で羊屋製のオーダーメード。この時代、ボタンは標準で銀色。この時代、ジャケットの胸章は最初から縫い込んである。動きやすいように背中脇部分にタックが入っている。)


写真>胸章



写真>羊屋の初期ロゴマーク(制服の内側用)






初代後期と思われるジャケット(1954年あたり)。洋服の生地が初代に比べて明らかに黒く、ボタンは金色。胸章も初代はJAL部分が銀色であるのに比べて、本品は金色。ラベルは「羊屋」で御茶ノ水、東京と記述。以下の羊屋のラベルは神田、銀座、東京と記述。以下のパイロットも黒地の制服を着ている。羊屋のロゴも、初代をベースに改良していることがうかがわれる。



当時のJAL案内パンフレットに載っていたJAL初代パイロットの制服姿。帽子に鶴丸マークがないのが特徴。服は機長用4本線なのに、制帽は副操縦士用なのが、違和感あり。他の資料でも、機長は月桂樹の入らない、現代でいうと副操縦士(コーパイ、コーパイロット)の帽子をかぶっているので、この時代は、飛行時間が一定以上の機長が月桂樹入りの制帽をかぶっていたのかもしれない。このパイロットのボタンは銀色。


羊屋の後期ロゴマーク(制服内側用)神田、銀座、東京と記述。ロゴがシンプル化されている。

2代目>-----------------------

二代目のロゴマーク



制帽(前期モデル、鳩の首が短いのが特徴。一般に、羊屋製マークが入った帽子は、帽子内側で額にあたる部分の革が茶色であるので、内側が茶色の帽子は古い。内側が黒色の革は新しい。)また、後期型は鶴丸部分が平坦であるのに対して前期型は鶴丸の中央部分が少しくぼんでいるのも違うポイント。

 ジェット機の導入と同時に鶴丸がデザインされたのは1959年、社章として正式に採用されたのは1965年なので、本帽子で最も古いのは57年は経っている。1958年頃は、当時の国際線で、主要な客はアメリカ人であり、アメリカ人から見て日本を想起するもの&当時、JAL=鶴のイメージが出来つつあったので、鶴をモチーフとしたブランドマークを作成することになって初代鶴丸マーク(具体的にはタンチョウ鶴がモチーフ)が完成した。冷静に見るとこの帽子には鳩と鶴の2種類の鳥がいることになる。丹頂鶴(丹頂は頭が赤いという意味)は、江戸時代は日本各地に生息し、日本で鶴といえばこの丹頂鶴を意味していた。


制帽(おそらく後期モデル、鳩の首が長いのが特徴)。資料によると1978年もこのデザイン。



制帽の頭頂布の交換部品(昔、男性はポマードで整髪するのが普通で、汚れ対策でビニールが貼ってあり、ビニールが劣化すると、布自体を交換するために、替え部品が支給されていた。)

制服(黒色、初期は羊屋、その後松坂屋(表示はMATSUZAKAYA)、オンワード製になって、1980年代はベトナム製でJAPAN AIRLINESと表記されるようになる。)

胸章


羊屋ロゴマーク(ズボン用、1969年製(昭和44年)と読める。)


松坂屋製ロゴマーク(おそらくズボン用。この時代、羊屋の廃業によって、松坂屋製になった。)

オンワード製のジャケット

オンワード製ジャケットのロゴ



Japan Airlinesロゴマーク(1980年台。羊屋、松坂屋(MATSUZAKAYA)、オンワード製の後に、このマーク(日本のサンリット産業(1999年頃)や、ベトナム製の既製服)になり、おそらく以降の制服などはすべてこのマークと思われる。初期の羊屋製ジャケットは、襟の剣先が長いのに対してベトナム製は剣先が明らかに短いのが違う点。



パイロット支給コート(おそらく初期版、1965年以前?、羊屋製、ロゴマークが見えている。これにはクリーム色の取り外し可能な裏地がついていた。 )


パイロット支給コート(ダブルの6個ボタン仕様。1969年 羊屋製。ロゴマークが見えている。)


3代目>JAL四角マーク時代(1989~2002)-------------------

三代目のロゴマーク






JAL四角マーク時代のパイロット用ネクタイとラベル

(JALマークが刺繍。ラベルは、羊屋のPHOENIX、及び、松坂屋のselected CRAVAT、Japan Airlines。この時代の初期は羊屋製で、羊屋の廃業に伴って松坂屋名義で制服を作り出し、その後、コストダウンによって独自ブランドの「Japan Airlines」にしたと思われる。2012年までのJALアーク時代にもCRAVATブランドのネクタイもあるので、松坂屋製と、独自ブランド「Japan Airlines」が並行して用いられた時代があったのかもしれない。

 制服は1999年はサンリット産業製なので、ネクタイは1990年頃には羊屋から松坂屋名義に変更されたのかもしれない。四角マーク時代は2002年までなので、少なくとも20年以上前のネクタイ。


4代目>JALアーク時代(JASを統合した時。2002-2012)---------------------

4代目のロゴマーク


制帽(鶴丸が廃止された時代)

制服(脇にアーク時代の制帽を挟んでいる)


副操縦士用の制服(この時代はジャケットの胸章は、全日空用制服のように後つけ式に変更されていた。現在のJALパイロット用制服も、おそらく、後つけ式と考えられる。)




ジャケット、Yシャツのラベル(書体からJALアーク時代であることが分かる。)

胸章

JEX(JALエクスプレス社)が事業停止したのが2011年で、この時代のJEXパイロットのネクタイは「selected CLAVAT (松坂屋製)」であった。



上記はJALWAYS時代(1990-2010)の帽章と胸章。デザインから考えると2002年以降の晩期もの




下は、JALアークマーク時代のネクタイで松坂屋製



5代目(現行モデル)>---------------


五代目のロゴマーク


制帽(鶴丸の復活)

制服(生地は漆黒色)


胸章


現行品? 訓練時 教官用帽子


2.全日空、ANA>

初代制服>

制帽(副操縦士用、つばに模様がない)


全日空は昭和33年(1958年)設立。制服(この制服の胸章は取り外し式だが、この前の時代の制服は胸章が縫い込んであるタイプもある。腰回りがぴったりしたオーダーメードで袖の作りがオーダーメード特有の形をしている。羊屋製)。手元の資料によると、少なくとも昭和46年(1971)年は、この制服(濃紺色)であることが明らかである。トライスター導入は1974年。JALの例を考慮するとYシャツは、おそらく羊屋製で夏は日本航空とは異なり開襟シャツだった。


初代の胸章(手元の資料によると1986年の写真でANAのパイロットは胸につけている)


2代目制服>-----------------

資料によると1981年はこの青い制服を着ている。


制帽(この時代の制服は、明らかに青いのが特徴)、帽子内側は黒色革で、メーカー名の記載はなし。




制服(4つボタンが特徴、胸章は取り外し式、東京高島屋製オーダーメード)、Yシャツも高島屋だった可能性あり。ネクタイは、黒ではなく、斜め模様の入った濃紺色。


1981年 全日空機長の写真例(胸章は赤いダビンチマーク)



青色4つボタン制服時代は、高島屋が制服を担当していた。




2代目?胸章(初期はANAの文字が丸いのが特徴。後期は縦長になる。)


2代目制服時のANAグループのネクタイ。この時代、制服も高島屋製。




3代目制服(現行モデル)>-----------



制帽

制服(濃紺、胸章は取り外し式、松坂屋製)

現行胸章




制服(初代制服に感じは似ているが、初代はオーダーメード、現行モデルはボックス型で、腰回り袖幅がゆったりしている。松坂屋製。現在の制服はネクタイやシャツの例から推測すると伊勢丹製。)


おそらく現行の肩章。昔の肩章は、筒形だったが、現行のものはマジックテープ式で簡単に取り外せる。全日空らしく、生地は濃い紺色。


CRAVATと入っているので松坂屋製。3代目制服は松坂屋製なので、このネクタイも現行制服のANAグループ用と思われる。CravatはANA向けは「Exellent Cravat」と名乗っていたようだ。

現行型のシャツは前期は松坂屋製(漢字表記)。


図 現行制服の初期のYシャツの松坂屋製タグ。最新は、三越・伊勢丹の伊勢丹製「ISETAN」。ちなみに、ANAは、Peachなどグループ会社で多くのパイロットが在籍するので、Yシャツは、必ずしもISETAN製でなく、パイロットハウス製などのYシャツも許容されているらしい。羊屋、松坂屋、高島屋、伊勢丹、東急、オンワード、サンリット産業はすべて別の独立した企業。民間パイロットが少なく、高給取りだった時代は、高級百貨店でオーダーメードであり、時代とともに庶民の乗り物になると制服もコストダウンのためにベトナム製既製服になりつつある。





ネクタイ(うすい縞模様が入っている。松坂屋製 CRAVATのロゴも昔に比べてすっきりしている。)



ネクタイ(現行 うすい縞模様が入っている。伊勢丹製。JALのネクタイは伝統的に無地の黒であるのに対してANAはうすい縞模様が入っているようである。)


3.日本エアシステム、JAS>






1981年 TDAパイロット(黒色の制服とラベルは東急製。東急製ジャケットには、TDA時代から内側にヒモがついている。)


1982年 TDAパイロット(明るいグレー色の制服)1982年に制服が大きくリニューアルされたようである。TDAがエアバスA300を導入し、虹色塗装になった際に制服もリニューアルされたと想像する。


制服(1982年~おそらくJALに統合(2002年)される晩年のもの)。日本エアシステムは、会社設立の経緯から東急グループと関わりが深いので、この制服も東急製。この制服には、ダブルボタン・ジャケット用のヒモがついているのが、他の大手航空会社とは異なる。



Yシャツ>ラベルは「TOKYU selected shirts」と明記。


               胸章と機長用肩章



日本国内航空の胸章>日本国内航空は、東亜国内航空(=日本エアシステム)の前身企業の一つ。東亜航空と日本国内航空が合併して東亜国内航空になった。

4.パーサー、スチュワード>

日本航空、JAL>



制帽(初代? オンワード製。 空港での機体出発作業現場のマネージャー用(ランプ・コーディネータ)の可能性もあり。)帽子内側が茶色ならば相当古いタイプ。

初代制服(明らかに灰色 1954年、6つボタン)

制服(1954年とされる。6つボタン。明らかに黒く変化している理由は不明。灰色時代は短かった?)





2代目?制服(6つボタン)

珍しいデザインのヒツジ屋ロゴ(羊屋の初代ロゴを整理した印象、御茶ノ水、東京時代)



3代目?制服(4つボタン)


肩章、胸章(1950-80年台、黒生地ベースなので、黒い制服時代か。)

胸章(1970年頃)

制服(2003年頃 銀色の胸章、袖は銀色3本線だが、真ん中の線が細い。)


肩章と胸章(2003年頃)


現行制服(2022年)



全日空、ANA>



ANA初代パーサー用?胸バッジ>胸章のデザインはパイロット用であるが、翼部分が銀色なので、おそらくパーサー用の胸章。


5.フライトエンジニア>

日本航空、JAL>日本航空のフライトエンジニア用の肩章、袖には3本の金色ライン全部に赤色が混じっている。

制服(JapanAirlinesとなっているので、1980-2000年頃のものだろう。)


肩章
フライト・エンジニヤ用の手袋は黒色(機器整備で汚れるから?ちなみにパイロット用は基本、白色。これは手による合図が遠くからでもはっきり見えるように、電車の駅員さんも白手袋しているのも同じ理由。)


全日空、ANA>全日空のフライト・エンジニヤ用の肩章、袖には、赤い筋が入った金色ラインが1本だけ入っているのが特徴。


制服は松坂屋製。全日空ではフライトエンジニヤ職はなくなったが、帽章や胸章から見ると現行品。西暦2000年以前ごろの制服。


フライトエンジニア用は、つば部分が布で覆われていた。


6.教官、その他>

日本航空>黒地制服で銀色4つボタン、袖線は1-2本。制帽は、黒地でアゴ紐は白色。つばに模様なし。テレビドラマ「スチュワーデス物語」、「アテンションプリーズ」にパイロットのような制服で出ているのが教官。



テレビドラマ「アテンションプリーズ」(1970年)時の教官の制服。

テレビドラマ「スチュワーデス物語」(1983)時の教官の制服。
アテンションプリーズ時代と比べると制帽の「帽章とヒモの間隔」が異なる。帽子内側の革が茶色ならば古い時代の帽子。

1981年の資料によると、どういう職種か不明(JALの空港男性職員?)であるが、赤紫色の制帽、制服の人もいた。以下の写真。著名デザイナーの森英恵(ハナエ・モリ)がJALの制服をデザインしていた時代(1967-1988)があり、赤紫は森英恵が好んで使用した色であったので関係があると思われる。トランシーバーを持っている人は、ランプ・コーディネータという役職の人で、明灰色の制帽を被っていた。蝶ネクタイの人は国際線ファーストクラスのパーサーか、スチュワードだと思われる。


              1981年の時刻表


以上。