セラミックス総合版【ホーム】
セラミックスは、原料の選択、組成、温度特性、成形方法、焼結温度、加工、加飾、電極形成に至るまでの総合力の必要なノウハウの塊。
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徐々に充実させます。2025年4月更新
presented by 楠本慶二
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日本セラミックス協会
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目次>-----------------------------------------------------------
1 これから開発が求められるであろう社会ニーズ
2 文献
2.1 実験
2.2 合成プロセス、評価
2.3 セラミックスの基礎、専門セラミックス、セラミックス周辺
2.4 その他 ファインセラミックス系の教科書
3 メーカー
4 作者の研究面の業績トピック
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1. これから開発が求められるであろう社会ニーズ
〇酸化亜鉛ナノ粒子>酸化亜鉛は活性酸素を発生する機能を持ち、酸化亜鉛ナノ粒子はバクテリアに対する殺菌作用や、試験管レベルの研究での抗がん作用が知られている。がん細胞を移植したマウスに酸化亜鉛ナノ粒子を静脈注射すると、がんが消滅したり増殖を抑えられたりした。通常の抗がん剤でできた耐性がん細胞に対しても効果があった。酸化亜鉛はスキンケア商品にも用いられる身近な物質で、酸化亜鉛が分解されて生じる亜鉛イオンは体内に一定量存在することから副作用が少ない。島根大学 藤田教授。
〇LNG用材料>海運関連の企業動向によると、水素、アンモニアは取り扱いが困難であるので、石炭よりも発生CO2の少ない液化天然ガスの、さらなる活用が、当面の脱炭素(省炭素?)の本命となっている。液化天然ガス関連で必要な材料が有望であろう。
〇大規模施設用蓄電池材料>最近は、太陽光発電設備が多くなりすぎて、昼間に電力生産をカットする例がある。この昼間の電力を太陽光パネル近くの大規模蓄電池に貯めて夜に使用し自給自足を行う。また、太陽光発電にて、水を電気分解して水素ガスを作成(太陽光エネルギーを水素ガスに物質化して、必要な時に電力化する)する技術。これらのために大電力を貯められるような電池施設&材料が必要になる。大量に必要であり、安全性に優れた酸化物系ならなおよし。例>NAS電池用材料
電気自動車用の蓄電材料は、電気自動車が実用化されているのでニーズは乏しい。
〇天然水素の発生する井戸>石油のように、純度の高い水素が自然に湧出する井戸が世界中にある。地中のカンラン石と海水が反応してH2ガスが発生しているらしい。これなら人工的に水素を合成するよりも圧倒的に低コスト。検索キーワード「天然水素 マリ」、「天然水素の動向 JOGMEC」。ちなみに、純粋水素ガスは「もっさり燃焼」し、ガソリンのように猛烈に燃焼するわけではない。ただし、水素と酸素との混合気体は一瞬で爆発する。燃焼と爆発は違う。
〇アンモニアの粉末化>アンモニアはCO2を発生しない燃料として注目されているが、常温では気体で毒性が強く取り扱が困難。アンモニアをホウ酸で包むことによって粉末化する技術が開発されている。検索キーワード「アンモニア 兵庫県立大」 しかし、アンモニアは肥料原料として既に施設、手法が確立しているので、水素よりもアンモニア社会の方が今後優勢になると予想されている。アンモニアとアンモニア水は違う。
〇レーザー光を照射又は電気を流すと発光して物質が冷える「半導体光学冷却」>
冷媒やコンプレッサーを使わない無振動無冷媒冷却技術(=エアコン、ペルチェ素子代替?PC冷却用)や、熱を光に変換して輸送する新しいエネルギー利用方法が実現する可能性。量子ドットをペロブスカイト結晶中に埋め込んで保護する「ドットインクリスタル」材料。CsPbBr結晶 検索キーワード「千葉大学 山田泰裕」
〇水素化マグネシウム粉末>見た目は灰色の粉末。温水に入れると、入浴剤バスロマンのようにして水素ガスが発生する。水素吸蔵合金というと重いイメージだが、金属マグネシウム自体が軽いので、問題にはならない。見た目は、燃料電池車において水素化マグネシウムを溶かした溶液をセットして走る感じ。検索キーワード「水素化マグネシウム トクヤマ」。
〇日産ePower>小型エンジンを発電するためだけに使用し、電気モーターで走る車。その場で発電するので効率的。ただし、アメリカのように高速道路を突っ走る走行では、燃費が著しく劣るらしく、この点ではハイブリッド車が優れている。
2. 文献>
日本セラミックス協会(通称 セラ協)の出版物は基本。大学の先生が書いた本は、過去の教科書を再編成したものが多く、セラミック合成の実体験に乏しい傾向。元メーカー技術者が書いた本は、実経験豊富で、問題点、注意点などが詳しく記述されています。メーカー出身者が書いた本は高いけれど、価格以上の価値が掲載されています。
2.1 実験方法> ●本所有
〇セラミック実習、日本セラミックス協会●
化学分析の基礎、重量分析、容量分析、機器分析、工業分析、計測の基礎、材料計測、熱的性質の測定、機械的性質の測定、電気・時期的性質の測定、微構造、光学的測定、圧力と流量の測定、機能性セラミックスの試作、陶磁器の試作、ガラス・ほうろうの試作、耐火物の試作、セメントの試作。
〇セラミックス実験技術講座 セラミックスをつくってみよう、日本セラミックス協会●
原材料の調整及び用意、成形法、焼結法、その他の作成法、加工法、評価法、実験におけるアドバイス
〇セラミックス実験、内田老鶴圃●
原料と製品の化学分析、粉体の物理化学的性質、偏光顕微鏡実験、ろくろ成形と泥漿鋳込み成形、七宝実験/熱的・機械的性質の測定、光学的性質の測定、電気的性質の測定
4〇セラミックス実験マニュアル、日刊工業新聞社●
原料の評価、粒子の構造、表面エネルギー、集合構造と流動、温度測定、燃料の試験、燃焼の試験、窯炉の試験、焼結反応、プラズマプロセッシング、ガラス化と結晶化、比重・気孔率の測定、通気率の測定、強さ試験、屈折率の測定、誘電特性の測定、熱膨張測定、熱伝導率の測定、耐火度試験、融液の粘度測定、光学顕微鏡観察、電子顕微鏡観察、X線回折、X線分光分析、分光光度測定、原子吸光分析、示差熱分析、熱重量分析
2.2 合成プロセス、評価>
合成プロセス>
〇セラミックスの製造プロセス-粉末調製と成形-、日本セラミックス協会●
粉末調製序論、液体からの粉末調製、化学平衡を利用する沈殿生成、沈殿生成におよぼす諸条件と共沈、粉体の乾燥、粉末調製の実際、固体の熱分解、固相反応による粉末調製、粉砕と混合、気相反応による粉末調製概論、気相反応の原理と機構、ハロゲン化物法による非酸化物粉末調製、天然原料の精製、高純度アルミナ、高純度シリカ、セラミック粉体の性質、セラミック粉体の測定、セラミック粉体の評価、セラミック粉体の表面処理、表面処理の目的、表面処理技術、成形序論、鋳込成形法、塑性成形、押出成形法、乾式成形、アイソスタチックプレス成形、射出成形、テープ成形、成形(今後の展開と方向)
〇セラミクスのプロセステクノロジー、学献社●
超微粒子技術、成形技術、焼成技術、超高速旧令技術、単結晶技術、複合焼結微細構造制御、プラスチック複合、粒界制御技術、膜・層形成技術、多層積層技術
〇入門 ファインセラミックス製造技術、技報堂出版●
セラミックスの流れ、製造方式の選択、製品に要求される性質、性質とその不均一性、表面処理、原料の調製、成形工程(加圧成形、押出、鋳込み、テープ成形、生素地の機械加工仕上げ)、乾燥、焼成
〇セラミック製造プロセス 1、素木洋一●
概要、成形助剤と成形用補助材料、セラミック素材の粉砕と濾過、泥漿鋳込み成形、テープ鋳込み成形(ドクターブレード法)
〇セラミック製造プロセス 2、素木洋一●
塑性変形(粘土の可塑性と成形性、可塑性の増加と低下の方法、混合、ろ過、脱水を行わない湿式調整法、混錬と混錬機、押出成形、ピストンによる押出、非粘土坏土の押出成形、建築用及びその他の粘土製品の組成成形)、乾式及び半乾式加圧成形(ドライプレスにおける問題点、顆粒の製造、顆粒の試験、プレス方法の選択、CIP)、ホットプレス法、高温無機物の被覆方法、コーティング方法
〇セラミック製造プロセス 3、素木洋一●
乾燥、焼成、粉末ガラスによる封着、ほうろうかけ、ガラス焼結体、セラミック-金属封着、非酸化物セラミックスの製造
〇わかりやすい工業用陶磁器、技報堂●
陶磁器とはなにか、陶磁器の分類、陶磁器製造上の基本問題、相平衡状態図の読み方、粉体、補助材料、粉砕と調製、成形、乾燥、焼成、ゼーゲル錘とオルトン錘の必要性、仕上げ加工、多孔性焼結体、ち密な焼結体、高誘電焼結体、強誘電焼結体、強磁性焼結体、半導性焼結体、高融点酸化物焼結体、酸化物ー金属セラミックスと炭化物ー金属セラミックス、ガラス・セラミックス
〇セラミック・プロセシング、技報堂出版
〇セラミック・コーティング、日刊工業新聞
〇セラミック機能性膜とその応用、学献社
〇わかりやすい押出成形技術、丸善出版●
プラスチックの成形&押し出し機の説明がメイン
〇トコトンやさしいプラスチック材料の本、日刊工業新聞社●
基礎、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチック、有用プラスチック、成形加工法、プラスチック製品、環境・安全問題
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〇セラミックスの複合化-科学と技術-、日本セラミックス協会
〇セラミックスの超精密加工、ニューセラミックス懇話会
14〇セラミックを考える・見る・知る・創る、東洋経済新報社
評価>
〇セラミックスの評価法、日本セラミックス協会●
粉体の評価法、焼結体・単結晶の~、ガラスの~、薄膜の~、繊維の~、多孔材料の~、複合材料の~、生体材料の評価法
〇XRD分析入門、PANalytical●
基礎、装置、データ収集、定性分析、結晶学的解析、ミクロ構造分析、特殊雰囲気XRD、推奨文献
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〇セラミックスのキャラクタリゼーション技術、日本セラミックス協会
〇セラミックスの電磁気的・光学的性質、日本セラミックス協会
〇セラミックスの機械的性質、日本セラミックス協会
6〇セラミックスの化学-現象から原理へ-、日本セラミックス協会
2.3 セラミックス基礎、専門セラミックス、セラミックス周辺>
〇セラミック誘電体工学、学献社●
緒論、セラミック技術序論、原料粉末の造粒と成形、焼結と焼成技術、磁器の微細構造、ホットプレス、磁器コンデンサ、磁器圧電素子、その他のセラミック材料、セラミクスの試験法、品質管理と工場実験の実例、終章、強誘電体物理学演習、電子セラミックス余話
〇セラミック材料学、海文堂●
結晶構造、非晶質構造、結晶格子欠陥、拡散、状態図、粉末合成と焼結、相転移と析出、セラミックスの特性
〇ハイブリッド回路用厚膜材料の開発、シーエムシー●
サーメット系厚膜材料、ポリマー系厚膜材料
〇多孔性セラミックスの開発、シーエムシー●
基礎理論、素材の合成、セラミックス多孔体と機能、新しいセラミックス多孔体の開発、多孔体の側面と応用展望
〇無鉛圧電セラミックス・デバイス、養賢堂●
はじめに、セラミックスと製法、無鉛圧電セラミックス、特性向上、センサ・アクチュエータへの応用
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6〇圧電セラミクスの応用、学献社
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2.4 その他
ファインセラミックス系の教科書>
< 電子セラミックス >
〇ファインセラミックスの実際知識、素木洋一、東洋経済新報社●
建築とファインセラミックス、日用品としてのファインセラミックス、高圧および低圧電気磁器、高温セラミックスの性質、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス、高温用各種セラミックス、高周波セラミックス、高誘電セラミックス、磁気セラミックス、メタライズドセラミックス、施釉、表面処理、製造工程、ファインセラミックス現状と将来
〇積層セラミックコンデンサ、学献社●
積層セラミックコンデンサ総論、原料粉末、製造プロセスと電極、内部電極の卑金属化、低温焼結技術、低温焼結セラミックコンデンサ、積層コンデンサの規格、特許と文献
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〇電子セラミックへの招待、森北出版
〇積層セラミックス技術のすべて、日刊工業新聞
〇セラミックコンデンサの基礎と応用: エレクトロニクス産業を支える、村田製作所
< その他 >
〇Eコンシャス セラミックス材料、三共出版●
人類と材料のかかわり、材料物質の特性、固体化学の基礎、セラミックスの特徴、セラミックスの構造、セラミックスの製造、汎用および高性能セラミックス材料、環境・エネルギー・生命とセラミックス材料
〇機能性顔料の技術、シーエムシー出版●
無機顔料の研究開発動向、用途展開の現状と将来展望(グラビアインキ)、絵具
〇セラミック多層配線基板 超LSIパッケージ・マルチチップモジュール基板技術、内田老鶴圃●
序論、微細粒子系における混合モデルと混合度の測定、ドクターブレード流路のシミュレーションと生シートの厚み精度向上への応用、還元雰囲気化での焼成によるセラミックの寸法精度向上、予備成形条件と焼成条件のセラミック寸法への影響、アルミナセラミックスのタングステンメタライズ強度、微細配線に適したアルミニウムメタライゼーション、アルミナセラミックス上微細配線メタライズ間の電気絶縁性とその保護、総括
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〇はじめて学ぶセラミック化学、日本セラミックス協会
〇セラミックス材料化学、丸善
〇工学のための無機材料科学:セラミックスを中心に、サイエンス社
〇セラミック技術(資料編CD付)、日本セラミックス協会
〇機能性セラミックス化学、朝倉書店
〇セラミック材料、日本セラミックス協会
3. メーカー>
特定メーカーを推奨するものではありません。
成形>宮崎鉄工(押出成形機、シート乾燥引取り装置)、太平洋テック、廉井精機(ダイコート、グラビア印刷、大幅シート)、西村陶業、MIYAGAWA、長峰製作所、ユニバース、粉プレッション(粉末プレス成型機ガイドサイト)、セラミックスファクトリー、新東Vセラックス(3Dプリンタ)、パイロット(筆記具)、千葉セラミック工業、本田鐵工、トウゴクセラミック
参考>TAJIMI Custom Tiles
タタラ成形、陶芸用ローラー、土練機>シンリュウ
金型>三床インダストリー
石膏型>
バインダー>ハイケム(ユケン工業から業務移譲)
乳鉢、ボールミル>伊藤製作所(メノウ乳鉢)、ニッカトー
原料>デンカ、アドマテックス、住友化学、日本軽金属、フジミインコーポレーテッド、マルトウ(丸東)、東ソー
セラミックシート>TOMOEGAWA(トモエガワ)、山村フォトニクス(ガラスセラミック)
4. 作者の研究面の実績トピック
〇総説「Progress in high-strain perovskite piezoelectric ceramics」Jigong Hao et al., Materials Science & Engineering R 135 (2019)1-57 が、鉛系、無鉛系の情報が、まとまっていて凄すぎ。被引用数625。ちなみに、作者も3報引用され、ささやかながら「圧電セラミックス界の歴史の片隅に名前を残す」ことが出来ました。
〇Wikipediaからリンクされており、10アクセス/日程度ある。キーワード「圧電素子」での外部リンク>圧電セラミック用語解説。作者はwikipedia編集に関わっていない。
〇日本語で「無鉛」圧電セラと表現はじめたのは、おそらく作者。それまでは「非鉛」が主流だった。
〇結果的に、間接的ながらBNT-BT系ベースの無鉛圧電セラの実用化に貢献。BNT-BT系の研究は、日本の非鉛系圧電セラ研究の大先生の研究を参考にした。作者は86BNT-14BT辺りの組成ベースに産業的価値を見出したのがポイント。
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失敗、批判、反対意見、当たり前 馬は馬、パンダはパンダの役割
多くの人が利用しているので安易に削除しない事 永久掲載
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○私達の時間は限られている。
「他人に使われる人生」を生きて無駄にしてはいけない。
「他人の意見」という雑音に、自らの内なる声を消してはならない。
大事なのは自分の心や直感に従う勇気を持つことだ。
これらは「あなたが本当は何をやりたいか」を知っている。
それ以外のことは、たいしたことではない。
いつまでもハングリーであれ。そして愚かであれ。
by スティーブ・ジョブズ(享年56)
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< お願い、ご案内 >
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〇仕事としての研究活動は卒業したので「勤務先の公式ルートへのお問い合わせ」は、ご遠慮ください。また、職種変更にともない圧電セラミックス関係資料、装置は、処分しました。
〇本サイトは、「趣味として私的に作成している」もので個人見解であり、所属組織の意見を代表するものではありません。情報はすべて公表されているものであり、「自宅パソコンから自分のために更新」しています。