陶磁器、陶器、やきもの、陶芸、伝統的セラミックス読本&おすすめ文献

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はじめに >

 過去18年間にわたってファインセラミックスの研究開発を行なった後、2009年度から陶磁器の研究(というか、陶磁器業界の問題、課題の解決)を担当。陶磁器産業界(和食器、洋食器)、陶芸界、骨董界、現代陶芸世界、西洋陶磁器業界、中国陶磁器、タイル産業、生活陶磁器界、瓦産業等々は、まったく別々の世界で交流も少ないようです。

 陶磁器関係者と話をする際の基本として陶磁器の知識、用語を知っておくべきとの思いから、大手書店、アマゾンで自腹で購入した累計35冊以上の、やきもの、陶磁器の専門書を参考に、著作権に配慮しつつ、勉強のために様々な事を随時書き足していました。

 ネット検索によると、日本で、やきもの作りを趣味としている人は推定100万人以上、民間の陶芸教室は1100以上、陶芸体験が出来る施設は1万箇所以上、陶芸は今後やってみたい三大趣味の一つだそうです。


目次>-----------------------------------

1 陶磁器の用語

2 陶磁器の歴史

3 やきもの用の土の話

4 低温焼結用陶磁器素地(きじ)の研究例

5 陶磁器原料で素地を作製した際の体験談

6 釉薬の色の話>金属酸化物と釉薬ベース材料の関係 、無機系顔料の色

7 石膏(せっこう)の話

8 やきもの関係のキーワード別のおすすめ文献

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1 「やきもの」の用語

>用語

●釉(ゆう)> 釉(ゆう)とは、素地(きじ)の表面に融着した薄い皮膜のことで、主にガラス質で構成されている。 釉薬を施す(施釉 せゆう)目的としては、素地表面に膜を形成して水やガスが漏れないようにしたり、焼き物の表面に色をつけたり、ツルツル、ザラザラにして美術性を向上するのが主であるが、素地のヒビをガラス質で埋めることによって、機械的強度が向上する(割れにくい、欠けにくい)という面もある。また、表面をツルツルにすることによって、素地が汚れるのを防ぐと共に、洗剤などで汚れが落としやすくなる効果もある。

 もともとは、焼き物に油がついたように見えたので「油」と表記されていたが、食事の油と混同するため、光彩の「彩」と油を組み合わせて、「釉」という漢字になったとされる。

 焼成中(焼結中)に偶然、自然に灰がかかって釉がかかった状態のものを「自然釉(しぜんゆう)」と呼び、人間が意図的に釉薬を塗って釉を形成することを「施釉(せゆう)」と呼ぶ。

●鋳込み(いこみ)、泥漿鋳込み(でいしょういこみ)> 主に磁器などの成型に使用される方法。あらかじめ、何らかの方法で「作製しようとする製品の型」を作製しておき、「製品部分が空洞になった石膏で作製した型」に泥漿(でいしょう)を注入し、石膏が、泥漿中の水分を徐々に吸収することによって泥漿が乾燥して、焼成前の型が作製出来る。石膏製の型は、使いまわしが可能なので、磁器を大量に作製する際に使用される。一般に、磁器粘土は可塑性に乏しく、ロクロでは成形しにくく、成形出来たとしても厚みの薄い焼き物は作製しにくい。(手作業では薄い磁器は乾燥体を削れば出来るが、失敗の確率も高い。)産業的に一般家庭向きに同じ寸法の磁器を大量生産する時に使用される方法。

●カリ石鹸、カリ石けん、離型剤> 「石膏(せっこう、硫酸カルシウムを主体とするもの)で作製した型A(作製しようとしている製品の型)」に、石膏を流し込んで鋳込み用の型を作製する場合、そのままでは石膏同士が反応して固まるので、Aを取り出す事が出来ない。よって、あらかじめAの表面に離型剤として「カリ石鹸」を薄めて磨くように擦り込んでおく。これは「石鹸」と名のついているように、石鹸成分が石膏表面に「水をはじく面」を作製して、流し込んだ石膏と石膏型がくっつくのを防ぐ効果がある。原理的には、カリ石鹸でなくても食器用洗剤でもOKといわれる。

●やきものの修理法(昔の方法で、今は趣味人が行うぐらいか)

焼継ぎ(やきつなぎ?、やきつぎ?)>破損した磁器を白玉と呼ぶ鉛ガラスを用いて低温で焼いて接着する修理法。西暦1800年頃から明治、大正頃まで日常的に使われた手法で、江戸、京都、大阪を中心に流行し、焼継師という専門の職人もいた。

カスガイ継ぎ> 昔、中国で行われた行われていた修理法で、焼き物に穴をあけてカスガイ(子はカスガイという時のカスガイ)で留める方法。

漆継ぎ> 破損部分を漆で継いで、その上を朱塗り(=ベンガラとうるしを混ぜたもの)で固めて、その上に金粉をまいて仕上げる修理方法。

呼び継ぎ> 破損したやきものの修理を、同じような別のやきものの破片でつなぎ合わす修理法。

注意> ここでは、どの教科書にも載っているような用語、技法は対象外です。これらは写真付きの記事で見たほうが理解できるから。


2 「やきもの」の歴史

 資料によると、陶磁器は土器も加えると1万6千年の歴史がある。(石器200-300万年、土器1万6000年、青銅器6000年、鉄器4000年)

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年代             出来事

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200-300万年前  人類 石器を作る、利用し始める。

1万6千年前   人類が土器を作り始める。日本が最初との説もあるらしい。日本は縄文時代(16000-3000年前)

8000年前  古代エジプトでファイアンス(石英砂を軽く焼いて固めたもの)が作られる。

6500年前  中国で後に日本で”アンダーソン土器”とよばれる土器が作られる。ロクロも窯もあったらしい

6000年前  中東でガラスが作り始められる。

5500年前  青銅器が作られ始める。

紀元前2000年前( 4000年前 ) 現在のトルコあたりで鉄器が作られ始める。

紀元前1300年頃( 3300年前 ) 古代エジプト ツタンカーメン王の生きた時代 

3000年前   中国で原始的な磁器が焼かれはじめる。

紀元前250年頃 ( 2250年前 )  中国 秦時代 始皇帝の時代、すでに立派な兵馬俑(やきもの)が作られていた。

紀元前200年以前( 2200年以上前 ) 中国 前漢時代 景徳鎮辺りですでに陶器が焼かれていた。

西暦200年辺り ( 1800年前 ) 愛知県猿投地区で須恵器(すえき)が焼かれ始める。(愛知県瀬戸地区のはじまり 中国でいうと後漢末期)  この頃中国は三国(三国志の魏、呉、蜀)時代の始まり頃で、磁器が完成した。

西暦588年  百済から瓦職人が渡来し、日本で瓦を作り始め、寺で使用され始める。瓦は、主に寺(=仏教)で使用される高級品だった。

1300年前頃  中国は唐時代で陶磁器を世界に輸出を始めた。

1160年辺り ( 850年前 )  中国で修行した加藤景正(かとう かげまさ)が現在の愛知県瀬戸辺りで陶器を焼き始めたとされる。(瀬戸 陶器の始まり)(中国では宋時代)

1600年辺り( 400年前 )  豊臣秀吉が朝鮮出兵の際、連れ帰った陶工によって佐賀県有田で磁器が焼かれ始める。(有田磁器のはじまり)中国でいうと明王朝末期

1644  中国 清王朝時代始まる。

1709年 ( 300年前 )  現在のドイツ、ドレスデンにて白色磁器が作れるようになる。(マイセン窯、西洋磁器のはじまり)

1820年ごろ (200年前 江戸時代後期) 加藤民吉親子が有田から染付磁器の製法を瀬戸に伝え、その後、瀬戸で磁器の生産が主流になる(瀬戸磁器の始まり)。

1879 エジソン、白熱電球の実用化

1903  ライト兄弟による動力機での初飛行

1945  太平洋戦争 終結

1969  アポロ11号月面着陸(月まで人間を安全に送って戻す技術が確立したということ)

2014  現在

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3 「やきもの」用の土の話

●自然の状態で陶器作りに適した土(陶土)>

大部分は花崗岩(かこうがん)が風化して出来た土。(二次粘土)

 花崗岩はマグマが地球の内部でゆっくりと冷えて固まったもので、地殻変動によって地上に押し出されたもの。

>蛙目(がいろめ)粘土>

 岩石が風化して早い速度で水に流されて未風化の石粒を残して堆積した土。主成分はカオリナイトであり、湿っている時に未風化(石英粒)の石がたまに光が反射して蛙の目のように光ることから蛙目粘土と呼ぶようになった。原土は水簸(すいひ)して粘土と珪砂に分けるが、粘土分は20-40%のものが多い。珪砂はガラス原料、ストーンウェアや鋳物砂に用いられる。

>木節(きぶし)粘土>

 岩石が風化して早い速度で水に流された際に樹木を巻き込んで堆積し、その樹木が腐食した土。腐食した有機分が保水性、可塑性発現の原因の一つになっている。蛙目粘土に比べて石英分が少なく、最も可塑性が高い。不純物(鉄分)も多く、低温で焼くとピンク色、高温では灰色系となり、収縮率が高い。建築陶器や粗陶器、耐火レンガ等に使用される。

瀬戸、信楽は我が国有数の粘土の産地。

●磁器用の土(磁土)>

 陶石やカオリンのことで、岩石がその場所で風化して土化したもの。(こういう土を一次粘土と呼び、さらに風化したものを二次粘土と呼ぶ。)陶石には最初から適度にアルカリ分なども含まれているものもあり、基本的には陶石だけでも、やきものは出来るが、それだけでは焼結温度が高く、有機分が乏しいので成形しにくく(保水性に乏しい、可塑性が乏しい)、実際の焼き物には成形性を加えるために粘土を、焼結温度を下げるために長石を添加する場合がほとんど。

>陶石>

 マグマが地表近くで冷えて固まった 黒い岩を玄武岩と呼び、長い時間かかって玄武岩が変質したものが、流紋岩(りゅうもんがん)と呼び、 さらに風化したものが、花崗岩(かこうがん)とyばれる。流紋岩(りゅうもんがん)は、基本的には花崗岩と同じだが、鉱物学的には長石や石英の大きさが違う。この流紋岩は花崗岩よりも風化しにくいが、熱水や温泉水によって分解、変質して土化したものが、自然の状態で焼き物(陶器)に適していたので陶石と呼び始めた。生成メカニズムから分かるように温泉の近くに陶石があるとされ、九州有田地方、天草地方が陶石の代表的な産地。

>カオリン>

 カオリンはカオリナイト(Al2O3・2SiO2・2H2O)を主成分とした一次粘土で可塑性は少ないが、白くて耐火度が高い。カオリンという名称は中国の景徳鎮付近の山、「高陵(又は高嶺と表現される場合もある。)」に産した土に似ていることから高陵土と呼ばれたのが由来。

 ちなみに、中国景徳鎮の磁器は、カオリンで作られているという説が普及しているが、カオリン質だけでは焼結温度が高く、焼いた物は白味が悪かったので実際には白木子(ペイトンツ)と呼ぶ長石に近いものを加えているらしい。白木子は鉱物名ではなく、切り出してきたものがレンガ状なので、単に「白木子=白いレンガみたいなもの」という意味。

 成分分析によると、例えば、朝鮮カオリンには、SiO2が45重量%、Al2O3が39重量%、K2Oが0.26重量%、Na2Oが0.46重量%、水分14重量%含まれており、カオリンはほとんどSiO2とAl2O3の塊であることが分かる。

>ニュージーランド・カオリン> 輸入カオリンとして注目されているもので、純白のきめの細かいカオリンで、鉱物組成はメタハロイサイト。ニュージーランド ・カオリンだけでも、ろくろ成形や細工物が出来るほど可塑性があり、1230℃ぐらいで、ほぼ焼結する。成分分析によると、ニュージーランドカオリンには、SiO2が48重量%、Al2O3が37重量%、K2Oが0.02重量%、Na2Oが0.1重量%、水分15重量%含まれている。水簸(すいひ)して、水に浮遊しているカオリンを回収する際にカオリンを凝集させるために、凝集材が入っているらしく、そのままでは分散性が悪く、鋳込み成型には工夫が必要との情報も。

 アルカリ分が意外に少ないのに低温焼結するのが少々不思議であるが、アルカリ成分のナトリウムとカリウムの比が低温焼結には重要ということだろうか。出典>「釉薬基礎ノート」 双葉社

●せっ器(せっき、せつは火偏に石という漢字 、ストーンウェア)用の土>

 一般に赤土と呼ばれる粘土の中で、せっ器の原料に適するものの総称で陶土の一種。 岩石が風化して遠くに風や水に流されて細かく水漉しされて沈積し、他の粘土よりも鉄分の他、不純物を含んだ土であり、有機分が含まれているために成形性は良い。

 焼いた時の色は鉄や石灰の含有量によって黄色、赤、褐色から黒褐色になる。知多半島、三河地方、信楽、備前、伊賀、四日市、益子などの地方でよくとれて、これらの伝統的焼き物はせっ器系陶器となる。

●長石(ちょうせき)>

 長石は磁器類の媒熔材として代表的なものであり、正長石(カリ長石,K源)、曹長石(ソーダ長石,Na源)、灰長石(Ca源)などがあるが、天然には純粋なものはなく、通常はこれらの固溶体か混合物であって 産地によって組成は異なる。ちなみに、”月(ムーン)”の黒い部分はマグマが固まった黒い玄武岩、白い部分は、長石(主にソーダ長石、灰長石(鉱物でいうとラブラドライト、サンストーン))が長年の隕石の衝突によって微細に粉砕されたレゴリスという砂が強烈な太陽光を反射して白く見えている。

●土の粘度を下げるための土>

除粘材(じょねんざい)> 土の可塑性(粘度)を適当に調節するためには、珪石が使用され、特に陶磁器用としては鉄分の少ない純白の珪石が使用される。また、素地の組成を変えずに除粘したい時には、その素地を焼いて粉砕したもの(焼粉と呼ぶ。)を適量加える。

焼粉>除粘するため加える素地を焼いて粉砕したもの。

セルベン>焼締素地や本焼きの破片などを粉砕したもの。セルベン(Scherben)とは、もともとはドイツ語で焼いた陶磁器を微粉砕したもの。

シャモット>耐火レンガや甲鉢(サヤ)などの破片を砕いたもの。シャモット(Schamotte)とは、もともとドイツ語で、1300℃程度でレンガ状に焼いた粘土を粉砕したもの。英語ではグロッグ(grog)という。

練土(れんど)>粘土に水を加えた状態の土

杯土(はいど)>目的に応じて各種の土をブレンドした土

成形水量(せいけいすいりょう)>成形するのにちょうどいい量の水分量


●その他>

真砂土(まさつち)> 花崗(かこう)岩が風化して出来た土。瀬戸地域ではサバ土とも呼ぶ。真砂土を粉砕したものを石粉(せきふん)と呼び、陶磁器の原料にすることもある。

参考にした文献>「陶磁器 楽焼から本焼きまで」 共立出版


4 低温焼結用陶磁器素地(研究例)


常滑窯業技術センター>中火度透光性素地の開発 1180-1200℃ ニュージーランド・カオリン(NZカオリン)+福島珪石+インド長石

鋳込用低温焼成素地の開発 1000℃ NZカオリン+ミネックス+ZnO+リチウム酸化物

佐賀県窯業技術センター>低温焼成磁器 1160℃ 天草低火土陶石+長石+珪石+カオリン+粘土

土岐市立陶磁器試験場> 1000℃以下で焼きしまる低温焼結磁器の開発 900℃ NZカオリン+CaCO3+石英+板ガラス

長崎県窯業技術センター>低温焼成磁器の量産製造技術開発 1200℃

三重県科学技術振興センター>低温焼結性陶磁器素地の開発(半磁器) 1100℃ NZカオリン+ネフェリン+インド長石+ペタライト


5 陶磁器原料で素地 (きじ)を作製した際の体験談

○天草陶石のみ> 淡黄色の粘土になるが、そのままでは素地切れしやすい(練り中にヒビ入る)。しかし、丁寧にヒビを防げばヒモ作りで成形出来ないことはない。

○NZカオリン(ニュージーランド ・カオリン)のみ> 粘土にならないかと思っていたが、水を加えて練ると粘土状にはなる。ただし、素地切れしやすく、成形後に、丁寧にヒビを消す作業が必要。

○木節粘土のみ> 粘土というだけあって、成形性は抜群。ただ、粘性が水分量によって激変し、水分が少なすぎると固いチョコレート片を触っているよう。素地切れもないが、成形体は、こげ茶色で、その後の加飾(かしょく、文様などをつけること)に難あり。

○適当にブレンドした土> 木節50g+NZカオリン50g+インド長石25g+ソーダ長石25gの混合粘土>ココア色の粘土で、、ヒモ作りで成形性、素地切れも問題なし。酸化雰囲気、1200℃で容易に焼結し、真っ白な半磁器が得られる。ちなみに、インド長石はK(カリウム)が豊富、ソーダ長石はNa(ナトリウム)が豊富であるので、ほぼ同じ量を加えることで、アルカリ混合効果によるガラス相の生成温度の低下(=焼結温度の低下)を期待して加えている。


6 釉薬の色の話(無機系顔料の色)>金属酸化物と釉薬ベース材料の関係

釉薬の本を見ると、「○○分が多いと、この釉は○○色っぽく変化します。」と書いています。しかし、色の発色源になっている金属酸化物は、釉薬中のどの成分と反応して色が変化しているのかが、この表現では特定できません。よって、釉薬の構成元素 ごとに、酸化物を個別に反応させることによって主要金属酸化物の色の変化を観察しています。ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ単独と反応させてないのは、単独では、これらの酸化物の融点が低いために、アルカリ蒸気で電気炉を傷めるからです。

電気炉を使用しているので、酸化雰囲気のみの結果。還元雰囲気は機会があったらやってみるつもり。


表の見方> 例> Cr2O3+CaO 1200℃ 草色

酸化カルシウム20モルに酸化クロム粉末を1モル加えて混合し、ルツボで酸化雰囲気で1200℃2時間し、粉砕後、エタノール漬けした時の外観色(釉の中に入った時の色)が草色ということ。酸化クロムは、通常、緑色(若草色)なので、この場合は発色はCaOに左右されにくいということが分かる


<酸化クロム Cr2O3 通常は緑色(若草色) > 酸化雰囲気焼成


Cr2O3+CaO 1200℃ 草色       Cr2O3+SrO 1200℃ 青緑色

Cr2O3+SiO2 1200℃ 明るい緑色    Cr2O3+ZrO2 1200℃ 若草色

Cr2O3+Nb2O5 1200℃ 黄土色     Cr2O3+MgO 1000℃ 黄土色

Cr2O3+BaO 1200℃ カスタードクリーム色  Cr2O3+TiO2 1200℃ チョコレート色

Cr2O3+Al2O3 1200℃ 淡い藤色     Cr2O3+ZnO 1200℃ 明灰色

Cr2O3+SnO2 1200℃ 明灰色


<酸化マンガン MnO 通常は黒色 > 酸化雰囲気焼成

MnO+CaO 1200℃ 赤紫?黒灰色    MnO+SrO 1200℃ 緑っぽい灰色

MnO+SiO2 1200℃ 濃い茶色     MnO+ZrO2 1200℃ 薄い褐色

MnO+Nb2O5 1000℃ 明るいクリーム色  MnO+MgO 1000℃ 濃い茶色

MnO+BaO 1200℃ 青銅色       MnO+TiO2 1200℃ 褐色

MnO+Al2O3 1200℃ ピンク色   MnO+ZnO 1000℃ オリーブドラム色(カーキ色)

MnO+SnO2 900℃ 濃い灰色   MnO+Bi2O3 900℃ 金属ビスマスが生成

<酸化コバルト Co2O3 通常は青色 > 酸化雰囲気焼成

まだやっていない。コバルトはニッケル鉱山で、ニッケルの副産物として主に採れる。

<酸化鉄 Fe2O3 通常は 朱色~赤黒色 > 酸化雰囲気焼成

1モル クエン酸鉄と1モルの各種酸化物を混合して、900℃1時間で反応させた後の色

1モル クエン酸鉄+1モルZnO   サビ色        +TiO2  ひやけ色(こむぎ色)

               +SiO2     血赤                   +Al2O3    血赤

               +MgO     茶色                  +Nb2O5    肌色

                +SnO2    赤茶色              +ZrO2     あずき色

                +SrCO3   黒色                +CaO     朱色

                +BaCO3   黒色                 +Bi2O3    溶融した黒いもの(鉄酸ビスマス?巨大BiFeO3単結晶? )

                +Ta2O5  明るいピンク        +Y2O3    あずき色

                +La2O3  ひやけ色(小麦色)

 

以下は全文ネットから引用、いずれ整理します。-------------------------

  鉄の酸化物の色は、鉄原子の周囲を回っている電子に対して、周囲にある陰イオンが電気的な影響を及ぼし軌道エネルギーが分裂して、分裂した2つの電子準位の間で光吸収による電子の遷移が起きるため、という錯体理論で説明できます。酸化物を一部、リン酸イオンで置き換える等しても各種の変種を作ることが出来て、吸収波長を微妙に変化させることが可能。

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鉄酸化物は、粒子の大きさにも影響され、一般には、粒径が小さいと明るい赤色だが、粒径が大きくなるにともない外観上は黒色に変化する。これは、おそらく赤色セロハンを重ねていくと黒になっていくのと同じ現象か。 


7 石膏(せっこう)

石膏の種類と使用方法> 以下の記事は、東急ハンズで配布されているメモを参考にした。

工作用石膏> 一般美術教材用。混水量74% 可使時間8-9分

特級石膏> 細かい細工をする彫像作製などに使用。混水量50% 可使時間10分

歯科用石膏> 歯科模型用で、きめが細かく硬化時間が短いのが特徴 混水量66-68% 可使時間3分

鑑識石膏> 警察が鑑識用に使用している石膏で、早く硬化する。 混水量74-78% 可使時間10-12分

ハイストンHLP> 樹脂成分の入った石膏。強度と光沢があるが、硬いので削るのには不向き。 混水量45% 可使時間10分

Yケース石膏> 樹脂入りのため、硬く、乾燥後の収縮が小さいので正確な型どり材作製に適する。 混水量40% 可使時間10分

鋳造用石膏> 耐熱温度が1060℃なのでアルミ合金の鋳造による精度の高い作品が作れる。 混水量40% 可使時間8-9分

●可使時間とは、撹拌開始から注型し始める前までの作業可能時間。

●混水量とは、石膏に対して使用する水の量のことで、例えば混水量74%の石膏は石膏1kgに対して水740ccを加えることを意味する。俗に外割(そとわり)とも呼ばれる。

「混練(こんれん)方法」

容器の大きさは、水の量の2-3倍の大きさのものを用意し、まずは容器に水を入れる。次に石膏をほぐすようにして水面にばらまく。そのまま1-2分間静置し、石膏に十分浸水させた後、気泡を抱き込まないように一方向に撹拌し、少し粘りが出るまで混練する。

「流し込み」

石膏に粘りが出て混ぜ棒のあとが残るくらいになれば型枠の隅の方から流し込む。流し込んだ後、型を軽くたたくと気泡が抜けて仕上がりがきれいになる。

「乾燥」

石膏型の強度は、乾燥すると濡れている状態の約2倍になる。感想はなるべく低温で風通しの良い所で行う事。

「道具、廃棄」

鉄製品は、サビるので使用しない。残った石膏は燃えないゴミとして処分。

●カリ石鹸、カリ石けん、離型剤> 「石膏(せっこう、硫酸カルシウムを主体とするもの)で作製した型A(作製しようとしている製品の型)」に、石膏を流し込んで鋳込み用の型を作製する場合、そのままでは石膏同士が反応して固まるので、Aを取り出す事が出来ない。よって、あらかじめAの表面に離型剤として「カリ石鹸」を薄めて磨くように擦り込んでおく。 カリ石鹸のカリはカリウムのカリ。これは「石鹸」と名のついているように、石鹸成分が石膏表面に「水をはじく面」を作製して、流し込んだ石膏と石膏型がくっつくのを防ぐ効果がある。原理的には、カリ石鹸でなくても食器用洗剤でもOKといわれる。

 

8 焼き物関係のキーワード別お勧めの本、文献集


目次---------------------------------

0.キーワードから探す、おすすめの本(例>菊練り方法はどの本に載っているか?)

1.やきもの、焼き物、陶磁器、陶芸の技法その他

2.やきもの、焼き物、陶磁器、陶芸の釉薬(うわぐすり)

3.やきもの、焼き物、陶磁器、陶芸の原料土関係

4.やきもの、焼き物、陶磁器、陶芸全般

5.やきもの、焼き物、陶磁器、陶芸の鑑定

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0. キーワードから探す、おすすめの本>

釉薬、成型>

●焼き物制作上のトラブル(歪、ヒビ、ブク等々)に対する理論的説明→「陶器づくりますます上達 焼き物実践ガイド」 誠文堂新光社

改訂版「やきものの科学: 粘土・焼成・釉薬の基礎と化学的メカニズムを知る」

●釉薬の作り方全般 →「陶芸裏技マニュアル 釉薬の裏技」阿部出版

●基礎釉、白い釉薬、化粧土、釉薬に関するQ&A

→「まぜておぼえるはじめての釉薬づくり」誠文堂新光社

●陶芸全般、釉薬のかけ方→「「陶芸」の教科書」 実業之日本社

●「ぐいのみ」に各種の釉薬をかけて焼いた後の見本→「陶芸市販釉薬を使ったはじめての釉薬・焼成入門」誠文堂新光社

●釉薬の調合、原料管理(原料水分の算出法)→「釉薬と施釉がわかる本」誠文堂新光社

●ロクロを使わない西洋風のやきものの作り方→「陶芸 手づくりのテクニック」グラフィック社

●油滴天目、木の葉天目などの作り方など。 →「陶芸の釉薬」理工学社

●絵付け、転写、金貼り、金彩等々

→「美と創作シリーズ 陶芸を学ぶ2」京都造形芸術大学 編 角川書店

●やきもの作りの技法をさっと見る、確認する。 →「すべてがわかる やきもの技法辞典」双葉社

●調合割合からゼーゲル式を、ゼーゲル式から調合割合を求める方法、ゼーゲル式の説明 →「完全版 釉薬基礎ノート」双葉社

●ゼーゲル温度計、ゼーゲルコーンの組成、用語解説が詳しい。 →「陶磁器釉薬 うわぐすり」共立出版

●工業的陶磁器の作製、流し込み成形、石膏型の作り方、機械ロクロ、トンネル窯等々 →「陶磁器 楽焼から本焼まで」共立出版

●磁器製作上の注意点、テクニック

→「磁器の製作」理工学社

→「はじめての磁器作り」阿部出版

●伝統的なロクロの方法、染めつけ、各種ダミの方法、焼成前の釉薬の厚さ、釉裏紅の作り方、茶碗のデザイン

→「陶芸の伝統技法」 理工学社


土作り>

●土作りのやり方、工業的粘土の製造方法、陶土販売店リスト>叩き、水簸(すいひ)、土練、荒練り、菊練り

→「陶土の基礎知識 土を探る」陶芸パワーブックス 阿部出版

→「はじめての磁器作り」阿部出版

●販売されている土の様子、ゴスの色合い、ロクロの見本

→「つくる陶磁郎 やきもの材料道具図鑑」双葉社

●化学知識による土の紹介、原料からの磁土、陶土作り、各種窯の紹介、焼成温度パターンの紹介 →「陶芸の土と窯焼き」理工学社

●やきもの産地の土の使用状況、化学組成表、科学的な釉薬の説明、現代陶芸家、伝統陶芸家のインタビューいっぱい

→ 「美と創作シリーズ 陶芸を学ぶ2」京都造形芸術大学 編 角川書店

骨董、鑑賞、日本陶磁器、中国陶磁、西洋陶磁、文様>

●中国景徳鎮の製作風景→「やきもの入門」平凡社

●昔の中国の技術の紹介、景徳鎮の作業風景 →「陶工の技術」理工学社

●世界の古代から現代物まで陶磁器を手軽に見る。→「世界やきもの史」美術出版社

●骨董>中国元時代から明中期までの文様、パターン→「陶磁器染付け文様辞典」 柏書房

●骨董>中国、韓国の代表的な昔の陶磁器の写真と背景説明 →「美術館へ行こう やきものと触れあう」新潮社

●骨董>主に中国陶磁器の鑑定ポイントを知りたい →「東洋古陶磁 鑑定の極意」五月書房

●骨董>古い陶磁器の本物、ニセモノ、本物を再加熱したら、修理したらどうなるか。 →「古陶磁 真贋鑑定と鑑賞」講談社

●骨董>中国、明、清時代の景徳鎮での磁器作りの様子、清朝官窯

→「中国の陶磁 清の官窯」平凡社

→「陶磁大系 46 清の官窯」平凡社

●日本の各種の焼き物を手軽に見る。 →「よくわかるやきもの大事典」ナツメ社

●作家の工房風景、絵付けの様子など→「(新)日本のやきもの 別巻2」読売新聞社

●ヨーロッパの三大焼き物ブランド(マイセン、ウエッジウッド、セーブル)の製作風景と作品→「欧州陶磁紀行 マイセン、ウエッジウッド、セーブル」世界文化社


1. 陶芸、その他、技術、テクニック>

●「陶器づくりますます上達 焼き物実践ガイド」 誠文堂新光社

改訂版「やきものの科学: 粘土・焼成・釉薬の基礎と化学的メカニズムを知る」

>こんなに理論的に焼き物の科学、理屈が紹介され、体系的にまとまっている本は珍しい。陶芸(陶器による芸術)関係ではなく、仕事で陶磁器の作製を行なっている人にお勧め。

●「美と創作シリーズ 陶芸を学ぶ2」京都造形芸術大学 編 角川書店

>この本の前半は著名陶芸家の作品とインタビュー、後半は、焼き物の科学、理屈、日本各地の焼き物産地の現状が詳しく紹介されている。この本によって「陶芸とは、やきもので美術作品、工芸作品を作ったもの」という事を理解した。

ただ、個人的には、世の中には貧乏陶芸家がいっぱいいること、どうやったら陶芸で食っていけるようになるかといった指南まで紹介して欲しかった。

●「やきもの入門」、平凡社

>中国景徳鎮の各種の成型技法を、写真とともに紹介。どうやって複雑な形状の磁器を作っているか知りたい人にはイイ。

●「すべてがわかる! やきもの技法辞典」、「つくる陶磁郎」編集部 双葉社

>各成型法を写真で紹介。およそ120種類の方法がのっているので、技法に関してはこの本だけで十分ではと思えるほど。

●「よみうりカラームックシリーズ 新 日本のやきもの 別巻2 陶芸の技法百科」、読売新聞社

>現代陶芸作家の仕事風景、インタビューがメイン。陶芸作家の暮らしぶりがよく分かる。

●「陶芸の教科書 この一冊でつくり方から歴史まで全部分かる」、実業之日本社

>陶石、窯、世界の焼き物の歴史、陶芸家の紹介などキレイな写真いっぱいでよくまとまっている。

●「つくる陶磁郎30 特集やきもの 材料道具図鑑」 双葉社

>陶芸用窯の紹介、各種の筆、ゴスの種類による発色の違いなど、ちょっとしたカタログなみ。販売先、値段の紹介も充実。

●「磁器の制作 ●青白磁大皿を中心に●」 理工学社

>磁器の製作に関して、もっとも実践的な情報(成型後の乾燥の細かなテクニック、菊練りが悪いとどうなるか、各種窯の特徴、温度の上げ方等々)が書いてあった。これからプロの陶芸家(伝統工芸系)を目指す方におすすめ。

●「陶芸 手づくりのテクニック 断面写真で解き明かす成形技法」 グラフィック社

>イギリス人?ジャッキー・アトキンさんによる現代アート系の様々な成型方法を紹介した本。ロクロを一切使わず、紐作り、手捻り、板作り、型取りによって様々な形状のオブジェを作っていく方法を紹介。色粘土の作り方、石膏型の作り方、練り込み技法、二重底の作り方の記事が貴重。

●「陶工の技術」理工学社

>原料の性質から、釉薬まで歴史的経緯を含めて記述してある。


2. 釉薬(うわぐすり)>

●「陶芸裏技マニュアル プロが教える陶芸のコツ 釉薬の裏技」、阿部出版

>プロの陶芸家が使っている釉薬のレシピの紹介という感じ。

●「釉薬と施釉がわかる本 実践編」、誠文堂新光社

>色見本というより、様々な作品を作る際の写真記録、作り方の参考としてはいいかも。

●「陶芸市販釉薬を使った はじめての釉薬・焼成入門」、誠文堂新光社

>市販の釉薬をどういう焼成雰囲気で焼いたら、どういう色が出るという見本帳。最初の釉薬の色見本としてはいいかも。

●「混ぜておぼえるはじめての釉薬づくり」、誠文堂新光社

>代表的な釉の合成の方法、および「ゼーゲル式」の説明が詳しい。

●「完全版 釉薬基礎ノート」、双葉社

>元愛知県立瀬戸窯業高等学校の津坂先生の著書。カラーテストピースの写真満載で、市販釉薬に満足できない人が自分で好みの色の釉薬をつくる際に非常に参考になる。

●「陶磁器釉薬 うわぐすり」、共立出版

>カラー写真はないが、釉薬について化学的見地から紹介。工業系、釉薬メーカーの人のための教科書という感じ。ゼーゲル温度計の組成やラスター彩の作り方なども載っている。

●「陶芸の伝統技法」、理工学社

>昭和中期までの、伝統的なロクロの方法、染めつけ、各種ダミの方法、焼成前の釉薬の厚さ、釉裏紅の作り方、茶碗のデザインなどが惜しげもなく紹介されている。

●「実践陶磁器の科学 焼き物の未来のために」内田老鶴圃

>原料のSEM写真、エックス線パターン、各窯業産地の原料動向、ヒビの発生機構など。

●「わかりやすい 工業用陶磁器」技報堂

>工業用粘土の化学的変化の説明が詳しい。


以下はまだ購入していないが、いずれ買うかも。---------

●「陶芸の釉薬 新版 理論と調整の実際」、理工学社

●「陶磁器釉の科学」 内田老鶴圃

●「釉調合の基本」 窯技社

●「釉とその顔料」 技報堂出版

●「入門やきものの科学」 共立出版

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3. 原料土関係>

●「陶土の基礎知識 土作りから焼き上がりまで土を作る」 炎芸術 陶芸パワーブックス 阿部出版

>陶芸用の土の作り方全般について紹介しており、土叩き、水簸(すいひ)、土練機、荒練り、菊練りの方法も詳しく紹介。各地の代表的な土12種類を成型、乾燥、酸化・還元焼成したら何色になるかの見本も充実。

●「はじめての磁器作り」 炎芸術 特別編集●シリーズやきもの入門 阿部出版

>磁土の作り方全般、磁土、半磁土の販売先などが詳しい。

●「陶芸の土と窯焼き」大西政太郎 理工学社

>各種の窯(穴窯、登り窯、電気窯、ガス窯、灯油窯、等々)でどのように焼いたらどういう状態になるかなどが詳しく解説。詳しい焼成温度パターンなども紹介。

●「陶磁器 楽焼から本焼まで」共立出版

>全般的に、バランスよく書いてあり、機械ロクロなども紹介。


4. やきもの全般>

●「世界やきもの史」、美術出版社

>キレイな写真も載っていて、世界の焼き物をざっと学ぶにはいいのでは。

●「よくわかる やきもの大辞典」、ナツメ社

>日本のやきものを中心にキレイな写真と、簡単な歴史、特徴をバランスよく配置。外国のブランド食器の紹介も充実。

●「美術館へ行こう やきものと触れ合う(中国、朝鮮)」、新潮社

>軽い読み物風の構成、中国と韓国の陶磁器の解説がほとんどで名品案内という感じ。

●「やきもの入門」、平凡社

>中国景徳鎮の各種の成型技法を、写真とともに紹介。どうやって複雑な形状の磁器を作っているか知りたい人にはイイ。

●「故宮博物院 15 乾隆帝のコレクション」、NHK出版

>中国の一流の芸術家が、皇帝の庇護の下に協力して作品を作ったら何が出来るかという見本帳。まさに「人類の宝」にふさわしいものばかり。

●「故宮博物院 14 工芸美術」、NHK出版

>同上。

●「中国工芸美術 景徳鎮磁器」、中国人民美術出版社+美乃美

>青花(せいか、チン・ホア、花(華)は模様の意味。日本では藍染の服に似ているので染付(そめつけ)、英語ではブルー・アンド・ホワイト)、色絵など技法ごとに大型の写真で紹介。明、清、現代ごとに磁器の特徴の変遷がよく分かる。

●「中国の陶磁11 清の官窯」、平凡社

>カラー写真満載で解説も充実。

●「陶磁大系 全48巻 第46巻 清の官窯」、平凡社(昭和48年発行)

>中国清時代の雍正官窯の青花磁器は○○が特徴という感じ。「本物の官窯の銘」がいっぱい載っているところが魅力。しかし、出版年代が古いせいか白黒写真が多いのが残念。

●「故宮博物院 8 清の陶磁」NHK出版

>「やきもの」ではなく、美術品の域まで達した焼き物写真のオンパレード。

●「欧州陶磁紀行 マイセン、ウエッジウッド、セーブル」、世界文化社

>マイセン、ウエッジウッド、セーブルといった代表的な窯について、代表的な作品とともに、歴史、製作工程が学べる。


5. やきもの鑑定>

●「東洋古陶磁 鑑定の極意」、五月書房

>軽い読み物風の構成、中国と韓国の陶磁器の解説がほとんど。

●「出川直樹 古陶磁 真贋鑑定と鑑賞」、講談社

>古い焼き物に、後付で色を焼き付けたらどうなるか、再度、焼直したらどうなるか等、ここまで詳細に載せているのはスゴイ。

「日本の焼き物の印及び中国の官窯の銘の写真」がいっぱい載っている。

●「陶磁器染付文様事典」、柏書房

>トルコのトプカピ・サライ宮殿博物館等に行って撮影してきた本物の元末期から明初期の染付けの写真資料集。この時代の模様パターンがテンコ盛り。

●「新訂 古陶磁の科学」 雄山閣

>多くの本は景徳鎮の土は、景徳鎮周辺のカオリン土と、白不子(ペイトンツ)を混ぜて作っていると記述しているが、それは明時代以前の話で、それ以降は違うという記述辺りが面白い。

以上。